かみ合わない目線と言葉








「波の国?」

「Cランク任務なんだってばよ!」



そうか、もうなのか。
嬉しそうに帰宅してきたナルトが行った「波の国」というワードに記憶を掘り返す。
私の読んだ原作が開始されたことを知り、しばらく経つ。さて、波の国エピソードはどうだったか……。まぁ、どうせナルトは主人公なのだし。



「そう、死なないようにね」

「何言ってるんだってばよ。チンピラとかからの護衛任務だってじいちゃん言ってたってば」



そうは問屋が卸さないってことは今んとこ私しか知らないわけだが。もちろんそんなことは言わない。



「まぁ、気をつけて」



温い笑顔で見送る私に、ナルトは首をかしげながら出発した。
ナルトの背中が消えた頃、休日を満喫する予定の私は買い物に出かける。
久々の休日に、少しテンション上がる。……友人と遊ぶ予定とかないのはちょっと淋しいけど。急に降ってきた休日だから連絡取ろうにも躊躇われたのだ。……決して友人がいないわけじゃない、断じて。
買い物に出たはいいが、特に買うものはない。そもそもナルトが日々の生活に必要なものを買い足してるから私が出る幕はないのだ。けど、一日中家の中にいるのもつまらない。せっかく天気もいいのに。



?」

「あれ、イタチ。……休み?」



だらだらと街を歩いていれば、前から声をかけられる。私服のイタチだ。
イタチ発見で頭の中に予定が組み上がる。



「ね、暇?」

「まぁ、仕事は休みだが……」

「じゃあ付き合ってよ。私、急に休みになっちゃって暇してんの」



だから団子でも食べに行こう? と誘えば、イタチはどこか微妙な顔をした。下から覗き込むように見やれば、目を逸らされる。



……お前……わかっててやっては……いないんだろうな」



溜息をつくイタチに、首を傾げる。
で、結局。
団子屋に一緒に行ってくれるの、くれないの。









































たまの休日に街を歩いていると、偶然にもに会えた。
今日からサスケも任務に出て、数日帰ってこない。つまり、修行に付き合うこともない。
に会うのは久しぶりだ。最近忙しかったから。



「だから団子でも食べに行かない? 確か甘栗甘で新作が出た、ってアンコさんに聞いたの」



にっこりと嬉しそうに笑って、頬を赤く染めている。
正直こんな往来でそんな顔をさせたくない。その顔を男に見せて、どうなるかわからない……んだろうな。少なくともオレは、誰にも見えないところに閉じ込めておきたい。
無防備に下から覗き込んでくるは、オレがそんなことを考えてるなんて夢にも思っていないに違いない。
せいぜい、早くに団子食べに行きたい、そんなとこだろう。

あぁ。団子屋じゃないとこに連れ込んでやりたい。






                       To be continued......







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そもそも更新が久しぶりで。どの作品も。
まぁ、その、イタチご希望の方がいらっしゃったものですから……。






                    2014/10/09